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最新医療に注目。 日本人の寿命がもっと延びるかも。

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2015/03/18

心臓病は癌に次いで日本人の死亡原因の第二位となっています。欧米化した食事の内容、ストレス、運動不足、喫煙、これらが心臓を痛めつけます。残念ですが心臓病は増え続けています。循環器内科では心臓血管外科と協力しながら、心臓病に悩む患者さんの治療にあたっています。

死因別による死亡率推移(年度別)
なぜ今心臓病が問題なのか

 心臓は人間の体を維持し、生きていくために大変重要な役割を果たしています。収縮と拡張という規則正しい運動を繰り返して血液を全身に送り出しています。1分間に60から80回収縮しますが、1日に心臓が打つ回数は約十万回、1年にすると約四千万回、一生の間には四十億回近く働かねばなりません。
生活習慣の変化が心臓に負担をかけ心臓病が増えているのです。「虚血性心疾患」、つまり「狭心症」と「心筋梗塞」が増加しています。狭心症の中でも走ったり、興奮したりと心臓に負担がかかった時に発作が起こるものを労作性狭心症といい、夜中に寝ているときや静かに休んでいるときに胸が苦しくなるもの安静狭心症といいます。労作性狭心症は冠動脈の動脈硬化による狭窄が原因とされ、安静狭心症は冠動脈が攣縮(れんしゅく)を起こして一時的に狭くなることが原因とされます。心筋梗塞は冠動脈が完全に閉塞することにより、心臓の筋肉に壊死をおこします。壊死に陥った心筋は収縮する力がありませんから心臓の働きが悪くなります。

虚血性心疾患治療の最前線

虚血性心疾患は冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりすることが原因ですから、この冠動脈の血流を回復させることが治療として最も重要です。この血行再建の方法には循環器内科医が行う「カテーテルによる治療」と、心臓血管外科医がメスで切って手術をする「外科治療」があります。「カテーテルによる治療」は今もっとも進歩している分野です。1977年にグルンチッヒにより導入されて以来、器具の進歩、技術の改良により現在広く普及しています。「経皮的冠動脈インターベンション:(Percutaneous Coronary Intervention)」の頭文字を略して「PCI(ピー・シー・アイ)」と呼ばれることが多くなっています。
「PCI」も当初は単純に風船(バルーン)で拡げる以外に方法はありませんでした。そのバルーンによる拡張には、「再狭窄」、「急性閉塞」、「不適病変」などの問題点が残されていました。再狭窄とは冠動脈の拡げた部分が3から6ヶ月後に再び狭くなることです。急性閉塞とは、拡張した直後に逆に閉塞してしまうことで、不適病変は狭窄している部分の性状によっては風船による拡張が不可能であるものです。この3つの問題点を克服する目的でステントなどの新しい医療技術が登場してきました。ステントは、血管の内側を筒状のステンレス製の金網で支える方法で、際立った有効性を示し、多く用いられるようになりました。 PCI
ステントの進歩と適応拡大です。 最近では冠動脈の病変部位まで持ち込むことが容易となり、細いガイディングカテーテルでも植え込み可能となりました。
解離や潰瘍を伴う複雑な狭窄形態、大きな灌流域を有する近位部の病変はステントの良い適応とされます。このようにステントを用いた「PCI」は以前に比べれば飛躍的に安全な手技となり、適応は拡大しています。しかし、成功率が高まったとはいえ、実際の現場では低い率ではありますが危険性を伴う命にかかわる手技であることも事実です。ですから患者さん自身とご家族が納得したうえで治療を受ける必要があります。また「カテーテルによる治療」だけではなく、患者さんによっては心臓外科医による「冠動脈バイパス手術」の方が適している場合もあります。冠動脈バイパス術は病気のある冠動脈に新しく血液が流れるように血管をつなぐ手術です。成功すれば再発率は少ない優れた治療法ですが、胸骨正中切開といって、胸を大きく開ける必要があり、カテーテルによる治療に比べると体への負担は大きくなります。循環器内科では各患者さんに最善の治療法は何かを十分に説明するようにしています。
ステント植え込み後の長期予後

ステントは体内に異物が留置されることになるので、長期的予後や安全性が重要です。ステントの使用が開始され10年以上を経た現在でもステントに特異的な長期的問題は経験していません。ステントを植え込んだ部位を経時的に観察した報告では、ステント植え込み後に再狭窄がなく一旦安定した部位は長期的にも安定していると考えられています。
薬剤放出性ステント

ステントの果たした大きな役割として再狭窄率の低下があります。しかしながら、依然として再狭窄は20から30%の頻度で発生しており解決されていない問題でした。その答えとして期待され登場したのが、冠動脈ステントに細胞増殖抑制作用のある薬剤をコーティングした薬剤放出性ステントです。欧州で行われた臨床試験の結果は驚くべき好成績でした。つまり、再狭窄なし、遠隔期の内膜増殖による内径の損失もなし、再度の血行再建術の必要もなしという理想的なものでした。もちろん薬剤放出性ステントにおいても長期的な安全性や有効性の維持が確認されるまで慎重に扱われなければなりません。しかし、現在のデータは極めて優れた成績であり、今後この薬剤放出性ステントを用いてPCIの適応範囲は拡大してゆくものと推測されます。わが国でも2004年8月から薬剤放出性ステントの使用が認可され、京都大学の循環器内科でも、これを積極的に使用し良い成績をおさめています。
急性心筋梗塞の治療

急性心筋梗塞の発症は、冠動脈粥腫(プラーク)の破裂が生じ、その部分に血栓が形成され冠動脈が閉塞されることにより心筋への酸素、栄養の供給が絶たれ、心筋が不可逆性の虚血、つまり壊死に陥ることによると考えらます。昨今は「急性冠症候群」という概念で語られることも多くなってきました。急性心筋梗塞の急性期の治療として、再開通療法は広く普及し施行されています。閉塞した冠動脈の血流を再開させることより、閉塞したまま保存的に治療した場合に比べて、壊死心筋量を減らし、心機能を保持することができるからです。ひいては、院内死亡減少、生命予後の改善が期待されます。急性心筋梗塞の再開通療法においてもカテーテルインターベンション、「PCI」が用いられています。通常はステントを用いて確実に再開通を成功させ、再閉塞がおこらないように安定した開存を保つようにしています。京大病院の循環器内科でも24時間、いつでも緊急心臓カテーテル検査、冠動脈造影、再開通療法が施行できる体制を整えております。
最後に

心臓病の治療法は日々進歩しています。心臓病は怖い恐ろしい病気だというイメージがありますが、けっしてそうではありません。正しく理解し、適切な処置や治療をうけ、さらに予防策を講じてゆけば良い効果が期待できます。むやみに怖がる必要はありません。今後も患者さんに有用な新しい医療技術を取り入れ充実した診療が行えるように努力してゆきたいと考えています。また、高度医療を推進するためには以前にもまして全人的な人間味ある対応が必要であることも認識しております。そのために医師はもちろん、病院の全スタッフが一丸となって取り組む体制を確立すべく努力しているところです。

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