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高齢者の肺炎は命取りになる事も。 肺炎球菌ワクチンのお話です。

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2015/03/04
2014年10月、23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)が「65歳の高齢者」を対象に定期接種化されました。
それに伴い、これまで65歳や70歳など特定の年齢に達した全ての高齢者を対象に、独自に接種費用を助成していた多くの自治体が、助成対象を縮小する方針を示している。「接種を勧奨するはずの定期接種が、逆に接種対象者を狭めることになっている」と語るのは国立病院機構東京病院外来診療部長の永井英明氏だ。
PPSV23は、肺炎球菌による菌血症や髄膜炎といった侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の予防効果が認められており、日本で20年以上の使用実績があるワクチンだ。厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会による検討結果を受け、厚生労働省は個人の発症と重症化を防ぐべき「B類疾病」として高齢者の肺炎球菌感染症を指定。PPSV23を定期接種化した。
厚労省の方針は、65歳の高齢者と、60~64歳で重度の心疾患など日常生活が極度に制限される基礎疾患がある人を対象に、1回の接種を助成するもの。既に65歳を過ぎた人にも定期接種の機会を設けるため、2019年3月31日までの時限措置として、該当する年度に65歳だけでなく70歳、75歳など5の倍数の年齢となる人も定期接種の対象とした。
つまり65歳以上の高齢者は、定められた時期での接種を逃すと、接種費用を全額自己負担しなければならなくなる。臨床医は、これまで自身の体調や年齢を考慮して打ち控えていた患者が、公費助成を受ける機会を逃さないよう、個別に接種スケジュールを設定する必要があるわけだ。
小児のPCV13が高齢者にも接種可能に
一方、2014年6月、小児の定期接種に用いられてきた13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13、プレベナー13)が65歳以上の高齢者にも接種できるようになった。PCV13は任意接種、すなわち1万円前後の接種費用を患者が自己負担しなければならない。
PCV13は、肺炎球菌の多糖体にキャリア蛋白を結合させたワクチンだ。23価のPPSV23と比べると、IPD患者から分離された原因菌の血清型に対する臨床的なカバー率は低い。一方で、免疫記憶が確立されないPPSV23とは異なり、T細胞を介した免疫を惹起することで、免疫力の低下した高齢者でも免疫応答を引き起こしやすく、かつ免疫記憶を確立するとされる(表1)。肺炎球菌感染症の予防効果も、オランダでの二重盲検ランダム化比較試験(CAPiTA試験)で明らかになっている。ワクチン血清型による菌血症を伴わない肺炎球菌性肺炎を45.0%、ワクチン血清型によるIPDを75.0%予防したとの結果だ。
年齢による時期を 見逃さずにワクチンを摂取するようにしましょう。

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