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「のんびり余生」から「果敢な第二幕」へ プチ就労を希望するシニアたち

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2014/01/20
会社を定年退職後、ゆっくり過ごすシニア・・・は昔の話?
『もっと社会と関わりながらイキイキと生きる』シニアが増加中!という話題です。
自由時間と豊かな資産を持ち、まだまだ元気である団塊世代を中心とする、これからのシニアは高次の欲求を満たすため第二の人生をアクティブに挑戦する人が増加する。
シニアが活躍し健康になれば、財政コストの増大や消費の低迷などわが国の課題の解決に役立つとともに、シニアの活躍を支援する新しいビジネスが誕生する。超高齢社会の到来に伴い、シニアが活躍し日本全体が輝きを取り戻すことが期待される。
シニアが輝く社会
団塊の世代が65歳を迎え、日本の高齢化率は25%を初めて超えた。その中核をなす団塊世代は約660万人で、10年後には75歳を迎える。
寿命の延伸により団塊世代を中心とするシニアはリタイア(65歳)してから死ぬまで約20年間もあり、資産も豊富で(全国金融資産の6割)、まだまだ元気である。従来の高齢者のように退職後の余生を家族や地域・社会に支えられ、のんびりと過ごすというより、高次の欲求を満たすために、人生の第二幕を積極的にチャレンジする人が増える。
米国ではリタイア後に再チャレンジする人生を「アンコールライフ」と呼ぶという。
シニアが活動的になれば、医療費や介護費は抑制でき、高齢者ならではの経験や知を社会へ生かすことも可能となる。そればかりか、こうしたシニアのアンコールライフを後押しするため新しい商品やサービスが生まれ、国内消費市場の底上げも期待される。
医療・介護といったシニアの安心を担保するビジネスとは別に、こうしたシニアの活躍を後押しするビジネスとして、以下3つの分野が想定される。これらアンコールライフマーケットは10年後に2倍、30兆円に達すると三菱総研では予測している=表参照。
(1)活躍の対象となるビジネス
第一に、シニアが第二の人生を積極的に過ごすため活躍の対象に関連するビジネスが想定される。楽しく過ごすだけでなく他人や社会に「認められたい」という高次欲求に対応して、「社会参加」や「趣味を究める」などのニーズが高まる。再挑戦のための自己投資として「学び」のニーズも高まる。
また、社会参加に関しては「収入はわずかでも『毎日出勤』『フルタイム勤務』から卒業し、無理のない範囲でやりたい仕事をしたい」。このようなプチ就労の希望をもつ高齢者が増加する。
セカンドチャレンジ支援ビジネスは、そんなシニアの「学び」や「就労」のニーズに着眼した事業だ。
就業先を紹介するシニア人材派遣やITを使い人と仕事のマッチングを支援するクラウドソーシングなどが生まれている。
また、これまでのような生涯学習ではなく、地域活動や地域活性化などの社会活動やプチ就労にチャレンジするための学び直しの機会を提供するシニア大学が誕生している。
多様な応援ビジネス
一方で、受け身の楽しみから、認められ、教えられるレベルへ高まる「趣味を究める」ニーズに応えるのが、ライフスタイル応援ビジネスだ。
スポーツや文化、芸術など、30競技で腕を競う全国規模の祭典「ねんりんピック」では、日頃の練習の成果を競い、認めてもらうため1万人ものシニア選手が集うという。
音楽教室では、多世代での仲間づくりや、演奏を楽しむだけでなく、磨いた腕を広く聴いてもらう活動を支援するビジネスも生まれている。
(2)活躍の土台となるビジネス
シニアがアクティブに活動するには、その土台となる生活を支援するサービスや生活の場を提供するサービスも拡大する。
その一つがスマートライフ応援ビジネスだ。中でも子供や地域社会に頼れない、これからのシニアにとって、暮らしのあらゆる困りごとに対応してくれるビジネスである「ホームコンビニエンスサービス」は有望である。これらを利用することで、生活上の不便から解放され、よりアクティブな活躍が促される。鉄道会社などが本格的に参入している。
生活空間リノベーションビジネスは、子供との同居は望まず、子供に頼らず自律的に暮らすことを望む、シニアの住まいに関する事業だ。
自宅で暮らしたいニーズが圧倒的に多く、友達が集う大きなリビングルームや趣味の部屋を作るなどアクティブに暮らすための改築も増える。
高齢単身世帯の増加や将来の不安から高齢者用の住宅や施設へのニーズも高まる。身体が弱ってからの介護施設は多いが、今後は健常なシニアがアクティブな暮らしを過せる施設のニーズが高まる可能性がある。
シニアが健康で充実した暮らしを続けることを目指し趣味や学びの場があり、もしもの場合でも継続的なケアを保証してくれるコミュニティーとして「CCRC」の日本での実現を期待したい。
(3)活躍を維持するビジネス
シニアがアンコールライフをアクティブに活躍し続けるためには、いつまでも若々しく健康を維持するためのビジネスも有望である。医療専門員による健康プログラムを提供するサービスや、遺伝子情報の検査に基づく健康指導などのサービスも誕生している。
■アンコールライフ
米国では退職後に、余暇を基本に生活を送るのではなく、世の中に何らかの好影響を与えるような仕事をしたい人が増えており、そのような人生を「アンコールライフ」もしくは「アンコールキャリア」と呼ぶという。こうした暮らし方を支援するために求職、セミナー、ワークショップ、教育等の情報提供や起業支援等を行う非営利法人も登場している。
■CCRC(Continuing Care Retirement Community)
シニアが健康で充実した暮らしを続けることを目指ざし趣味や健康維持の場があり、もしもの場合でも、継続的なケアを保証し最期まで暮らしを保障してくれるコミュニティーとして米国で広く普及している。全米に2000カ所、そのうち大学連携型は70カ所あり、幸せで安心なシニアライフを実現している。
■鎌形 太郎氏(かまがた・たろう)
三菱総合研究所執行役員プラチナ社会研究センター長。慶大経済卒。1988年、三菱総合研究所に入社以来、都市・地域経営に関わるプロジェクトに関与。専門は都市・地域再生事業、官民連携事業、集客文化事業。54歳。東京都出身。
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