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シニア派遣ビジネス広がる 豊富な技術と経験、少子高齢社会の一助に
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2014/02/24
【成長ニッポン】シニア派遣ビジネス広がる
会社を定年で退職した人など「リタイア世代」に働く場を提供するビジネスが、広がりを見せている。60歳以上を対象としたシニア派遣事業の草分け、高齢社(東京都千代田区)にヒントを得た取り組みが、静岡県など地方でも始動。生涯現役を目指し、高齢者の働く場と生きがいをつくり、健康維持にもつながるビジネスの拡大は、労働力不足や医療費高騰といった少子高齢社会が抱える問題の解消に向けた一助にもなりそうだ。
「シニアに仕事をつくるのが仕事。高齢者の求人は待っているだけではいけない」。シニアのキャリア支援を行う高年社60(静岡県富士市)代表の小松剛之シニアキャリアサポートセンター長は強調する。小松氏は人材ビジネスを10年以上にわたり手掛け、2012年9月にシニアに特化した事業を立ち上げた。
同社の経営陣には金融機関OBもいる。地元の金融機関や経営者とのつながりを生かし、登録スタッフが経験や資格を発揮できる職場を開拓している。受け身ではない点が、行政が運営するハローワークやシルバー人材センターにはない強みだ。
退職者の技術生かす
一方、名古屋市熱田区のシニア東海は技術系の熟練技術者を地元企業に派遣している。登録スタッフの平均年齢は63歳。工業・産業用機械や自動車部品、溶接などの分野で専門的な技術と長い経験をもつスタッフの技量には定評がある。中小企業で従業員を指導するだけでなく、大手企業の工場で特殊機械の操作を請け負うなど、人材派遣の要請は引きも切らない。
同社の高江洲晋社長はもともと大手派遣会社に勤務していた。退職後の技術者を生かすビジネスをしたいと考え、11年4月に事業を立ち上げた。高江洲氏は高齢の技術者が派遣先で生き生きと働くことに手応えを感じている。「時間や収入が限られることもある派遣の働き方は、高齢者にこそ適している」
働く場と生きがい
高年社60の小松氏とシニア東海の高江洲氏はともに、シニア派遣のパイオニアともいえる高齢社をメディアを通じて知った。2人は同社の上田研二会長に連絡をとり、事業運営のアドバイスを受けている。上田氏との出会いをきっかけに、小松氏は「高齢社の理念を全国に広めたい」と、高齢者に職を紹介するシニアキャリアサポートセンターを富士市に設立した。
こうした後に続く同業者を高齢社の上田氏は応援している。2000年に創業した高齢社の派遣スタッフは、登録資格が60歳以上75歳未満で登録後に定年はない。過去10年間で登録スタッフは80人から840人と10倍以上になった。リーマン・ショック後にも業績を落とさず、売上高は13倍。全国にその名を知られるようになったが、ビジネスモデルは全てオー
上田氏は東京ガスのOB。現役時代のつながりを生かし、ガスの点検や展示ルームの管理など、高齢者の仕事を請け負ってきた。働きたい高齢者からの問い合わせはひきもきらず、女性の高齢者向けには家事代行サービス事業も立ち上げた。
「目的はリタイア後に“時間を持て余している”になりがちな高齢者に働く場と生きがいを提供すること。高齢者には貴重なレアメタルがたくさんあるでしょう」。年齢を問わずに人材を最大限に生かすことが、少子高齢社会の日本には欠かせない。(滝川麻衣子)
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