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介護保険の2割負担 個々の所得で判断、倍額とは限らず

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2014/08/11

「地域医療・介護総合確保推進法(医療と介護の確保に関する法律)」が成立し、介護保険でもさまざまな変更が行われる。介護サービスの利用料は制度発足当初から1割負担だったが、平成27年8月から一定以上の所得の人は2割負担になる。負担が1割か2割かは、サービスを利用する個々の所得で決まる。2割負担になっても、費用は必ずしも倍額にはならない。慌ててサービスを削ることのないようにしたい。(佐藤好美)

 埼玉県川越市に住む川崎功さん(69)=仮名=は介護保険制度の改正が気がかりだった。自己負担はこれまで誰でも1割だったが、今回の改正で、一定以上の所得の人は2割負担になることが昨年来、報道されていたからだ。

 功さんの生活は、妻、恵子さん(65)=同=の介護が中心になっている。恵子さんは5年前に脳出血で倒れ、要介護度は最重度の「5」。以前は座った姿勢が保てず、寝たきりだったが、最近はリハビリの成果が出たのか、車椅子に座って過ごせるようになった。目に入る風景が変わり、表情も明るくなったようだ。

 恵子さんが使う介護保険のサービスは、週3日のデイケア、デイケア前の訪問介護、週1回の訪問看護など。他に介護ベッドや車椅子も借りており、限度額はほぼいっぱい。毎月、利用料として1割に当たる約3万5千円を払う。
功さんは「これ以外に訪問診療や薬代などの医療費もかかる。介護サービスが2割負担になって、3万5千円が7万円になったら、いったい何を減らせばいいのかと思っていた」と話す。
 功さんが心配したのは、自身が元サラリーマンで、約380万円という比較的豊かな年金収入があるからだ。
 だが、恵子さんの費用負担は1割で変わらない。1割か2割かは世帯の所得ではなく、サービスを利用している個々の所得で決まる。恵子さんには基礎年金の収入しかないからだ。
 2割負担になる人の基準は「合計所得が160万円以上」。年金収入だけなら280万円以上に当たり、介護保険の被保険者の所得上位20%を占める。来年8月以降、功さん自身が介護サービスを使うことがあれば、功さんは2割負担だが、恵子さんは1割のままだ。
 だが、個人単位で所得を見ることにした結果、2割負担の人の世帯が、夫婦とも1割負担の世帯よりも世帯収入が少ない「逆転現象」も生じそうだ。
 健康保険にも、高齢でも窓口負担が3割になる所得階層があるが、介護保険の方が対象範囲は広い。功さんは「(基準となる)年収280万円は高収入とはいえないのでは…」と漏らす。
厚生労働省は「1割負担の人が2割になっても、利用料は2倍になるわけではない」と理解を求める。介護保険には、自己負担が一定限度を超えたときに、負担額が頭打ちになる「高額介護サービス費」があるためだ。
 頭打ちになる額は一般的な課税所得の人で3万7200円。所得の高い人には4万4400円のカテゴリーが設けられる予定。仮に要介護5で限度額いっぱいのサービスを使う人が2割負担になっても、自己負担は7万円ではなく、4万4400円か3万7200円になる見通し。詳細はケアマネジャーに相談したい。
 功さんは「とりあえず、2割負担でないと分かってほっとした」と言う。胸をなでおろしつつ、「負担が上がるのは仕方ない。保険料は上げてもいいが、利用料は上げてほしくない。一番心配なのは費用のこと。状態が悪いときに支払う利用料が上がるのは不安が大きい」と話している。
 ■配偶者課税なら施設利用料は増
 恵子さんの負担割合が変わらないことに安堵(あんど)した功さんだが、気がかりはある。仮に恵子さんが施設入所をした場合、費用は上がる見通しになったからだ。

今回の改正で、特別養護老人ホーム(特養)などに入所する低所得の人への費用補助(補足給付)の仕組みも見直された。現在、グループ単位で生活する「ユニット型個室」の特養に入所した場合、標準的な利用料は月額13万円以上。食費、居住費、介護保険の1割負担などが含まれており、所得によって利用料が異なる。
 現行制度では、恵子さんのように自身は課税されないが、夫には課税所得がある人が入所した場合も負担は軽減される。世帯分離をすれば、恵子さん自身は「低所得者」と見なされるためだ。恵子さんの場合、入所すると、月に13万円以上の入所費が5・2万円程度に下がり、差額は介護保険から施設に補填(ほてん)される。
 だが、制度改正で、配偶者が課税されている場合、負担軽減はされなくなる。低所得の人への福祉的給付を、世帯の所得にかかわらず出すのは好ましくないとの考え方だ。
とはいえ、入所中で負担増になる人には打撃が大きい。施設によっては20万円近い利用料を設定している所もあり、負担が一気に跳ね上がりかねない。何らかの激変緩和措置が要りそうだが、厚生労働省は「経過措置を講じる予定は今のところない」としている。
 このほか、預貯金などが一定額を超える人も費用補助の対象から外れる。目安は単身で1千万円超、夫婦世帯で2千万円超で、不正受給者には加算金が課される。当初は一定の評価額を超える不動産を所有している場合にも対象外とする方針だったが、今回は見送られた。

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